蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「はい、どうぞっス」 礼を言って、少年が差し出したカップを受け取る。 中に入っているのは――青い液体だった。 青い。なんか青い。やたらと青い。 ここまで青い飲み物は見たことねぇ。 さすが地球外惑星(推定)。 「どうしたっスか? 飲まないっスか?」 飲んでも平気かどうか悩んでいると、少年が不思議そうに聞いてきた。 「ん、ああ。これ、このまま飲んで平気なのか?」 「平気っスよ。クンの実のジュースっスから、のどが渇いてる時には最高っスよ」 証明するように自分の分に口をつける少年。 どうやら普通に飲めるものらしい。 そうとわかれば、ためらう必要もない。 ありがたく飲ませてもらおう。 「――――ん、おお? なんだこれ。目茶苦茶美味いな」 「そっスか? 実は、これにはちょっと自信があるんスよ」 言うだけあって、マジ美味い。 清涼飲料に近く、口当たりと喉ごしがすげぇいい。 気付けば、カップは空っぽになっていた。 「っぷはー。いや美味かった。ありがとな」 「どういたしましてっス。おかわりはどうっスか?」 「いや、もういいわ。それより、聞きたいことがわりとたくさんあるんだが、いいか?」 「いいっスよ。オレにわかることなら、なんでも聞いてくださいっス。 えぇっと」 そこまで言って口ごもる少年。 …………そういえば、まだ名乗ってもいなかったな。 「直哉だ。高畑直哉」 「タカハタナオヤっスか。 家名があるってことは、貴族様っスか?」 「いや、別に貴族ってわけじゃない」 極々一般人だ。 「そうなんすか。でも……」 「俺の生まれた国じゃ、皆名字を持ってるもんなんだよ」 「そうなんスか」 感心したように何度も頷く少年。 「申し遅れたっス。オレはセンギっていうっス」 少年――センギは、何が嬉しいのかにこにこと笑顔を浮かべる。 「センギ、俺何かおかしなこと言ったか?」 「え? ああ、いやいや違うっスよ。ただ、人間と話すのは久しぶりだったっスから」 そうなのか。 まあ、こんな森の中じゃあまり人は来ないだろうしな。 「それじゃ、存分に会話を堪能してくれ。で、聞きたいことなんだが――」 「おとーさん、クンの実がなくなってる~」 俺の言葉を遮るように、子供特有の高い声が響いた。 扉を開けて部屋に入ってきた声の主は、燃えるような赤い髪をした少女だった。 PR |
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