蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「はーい。誰っスかー?」 扉を開けて出てきたのは、頭にバンダナを巻いた少年だった。 見る限りでは、人間に思える。 少なくとも、俺を追いかけ回した猫(?)みたいな獣ではない。 「うちに何かご用っスか?」 「あ、ああ。道に迷っちまってな。悪いんだが、この辺のことを教えて貰えないか?」 「迷った? この辺まで入ってくるなんて、珍しい人っスね」 片手で拝むようにして頼むと、少年はきょとんとした顔で答えた。 少年の口振りからして、どうやらこの辺りは人の来るような場所ではないらしい。 となると、 「ここから人里までは遠いのか?」 「んー、そうっスね。人の足だと、五日はかかるんじゃないっスかね」 思い浮かんだ懸念を聞くと、予想通りの答えが返ってきた。 マズいな。猛獣を警戒しながら五日間。とてもたどり着ける気がしない。 これからの困難さを思い、自然と眉がしかめられる。 そんな俺を見かねたのか、少年が声をかけてきた。 「立ち話も何っスから、とりあえずあがらないっスか?」 「いいのか?」 「うぃっス。お疲れのようっスから、飲み物とかも出すっスよ」 それはありがたい。もう喉はからからだ。 だが、 「見知らぬ人間を家にあげてもいいのか? 自分で言うのもなんだが、俺はかなり怪しいと思うぞ」 「いやぁ、久しぶりのお客さんっスから。それに、人を見る目には少し自信があるっスよ」 ……ならいいか。本人がいいと言ってるんだし、これ以上は蛇足だろう。 なにより、俺が腰を落ち着けたい。 「そっか。それじゃ、悪いけどお邪魔させてもらうわ」 「うぃっス。どうぞっス」 PR |
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