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蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
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「はーい。誰っスかー?」

扉を開けて出てきたのは、頭にバンダナを巻いた少年だった。
見る限りでは、人間に思える。
少なくとも、俺を追いかけ回した猫(?)みたいな獣ではない。

「うちに何かご用っスか?」

「あ、ああ。道に迷っちまってな。悪いんだが、この辺のことを教えて貰えないか?」

「迷った? この辺まで入ってくるなんて、珍しい人っスね」

片手で拝むようにして頼むと、少年はきょとんとした顔で答えた。
少年の口振りからして、どうやらこの辺りは人の来るような場所ではないらしい。
となると、

「ここから人里までは遠いのか?」

「んー、そうっスね。人の足だと、五日はかかるんじゃないっスかね」

思い浮かんだ懸念を聞くと、予想通りの答えが返ってきた。
マズいな。猛獣を警戒しながら五日間。とてもたどり着ける気がしない。

これからの困難さを思い、自然と眉がしかめられる。
そんな俺を見かねたのか、少年が声をかけてきた。

「立ち話も何っスから、とりあえずあがらないっスか?」

「いいのか?」

「うぃっス。お疲れのようっスから、飲み物とかも出すっスよ」

それはありがたい。もう喉はからからだ。
だが、

「見知らぬ人間を家にあげてもいいのか? 自分で言うのもなんだが、俺はかなり怪しいと思うぞ」

「いやぁ、久しぶりのお客さんっスから。それに、人を見る目には少し自信があるっスよ」

……ならいいか。本人がいいと言ってるんだし、これ以上は蛇足だろう。
なにより、俺が腰を落ち着けたい。

「そっか。それじゃ、悪いけどお邪魔させてもらうわ」

「うぃっス。どうぞっス」
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