蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「ただいまー」 「む。戻ったか、燐火」 「あ、ただいま鷹火従兄さん」 「おかえり。しかし、吸血鬼化したのはわかっているが、深夜に出かけるのはやはり賛成出来んな」 「何よ、まだ納得してなかったの?」 「それはそうだろう。若い女性が一人で深夜にでかけているんだ。従兄弟としては心配するに決まっている」 「わたしは吸血鬼よ? 変質者ぐらいなら丸めてぽいよ」 「強いとか弱いとか、そういう問題でもないだろう。可能ならば、俺が付いて行きたいところだが……」 「心配性ね、従兄さんは」 「笑いごとではないんだがな」 「ごめんごめん。でも、従兄さんは忙しいんだから、そういうわけにはいかないでしょ?」 「むぅ……」 「ここしばらく収穫もないし、危ない事なんてホントにないわよ」 「それは収穫があれば危険もあるということなんだが」 「まー、それはしょうがないわよ。わたしが追ってる相手が相手だもの。虎穴に入らずんば虎児を得ず、よ」 「虎の子が欲しいのなら猟師に頼むべきだろう。素人が手を出すと怪我をする」 「それはそうかもしれないけど、だからって人任せには出来ないわよ」 「けじめ、か……?」 「そ。アイツはわたしが滅ぼすわ。そうしないと、きっとわたしは前に進めないから」 「……」 「……」 「ふぅ……、わかった。燐火の好きにするといい」 「ええ」 「ただし」 「?」 「危なくなったら、いつでも助けを呼べ。何処にだって駆け付ける」 「従兄さん……!」 「約束しろ。危なくなったら俺か、天夜に連絡を……」 「待って。なんでそこであいつの名前が出てくるのよ?」 「天夜は頼りになるぞ」 「え~~」 「現に燐火から逃げ切っただろう」 「それは! ……そうだけど」 「だろう」 「でも、別にあいつじゃなくても……」 「天夜は俺の知り合いの中では、かなり腕か立つ方だぞ。何かあった時は、腕の立つ奴の方がいいだろう」 「そ、それはそうだけど」 「……燐火は天夜のことが嫌いなのか?」 「嫌いっていうか……、まあ印象は良くないわね。初対面が悪かったし」 「まあ……、殴られてるしな」 「そうよ! おまけに、顔を合わせたら逃げるのよ」 「やたらと警戒していたからな、天夜。そもそも、何故そんなことになったんだ? 天夜は理由もなく女性を殴るような奴ではないんだが」 「あー、あれよ。……不幸な誤解ってやつね」 「ふむ。一体何を誤解したのだ?」 「初めて会った時にね、あいつから血の匂いがしてたのよ」 「恐らく、“祭”か“仕事”の後だったのだろうな」 「今ならそうってわかるけど、当時はこっちに来たばっかりだったし。そんな奴が真紅の槍を担いでたら、勘違いしたって仕方ないでしょ?」 「まあ、理解は出来るな。それで、どうしたんだ?」 「蹴った」 「……なに?」 「取り押さえようと思って、こめかみ狙って蹴りつけたの」 「燐火……」 「や、もちろん加減はしたわよ。一応、一般人だったら困るし」 「だからといって……」 「いいじゃない、当たらなかったんだし。おまけに反撃までもらったわよ。しかも、こっちを吹き飛ばしたらすぐに逃げたしたし」 「ああ、戦うには装備が心もとなかったらしい。前に愚痴られた」 「まったく、うら若い乙女をなんだと思ってるのかしら」 「吸血鬼だろう」 「それはそれ、これはこれよ。ところで従兄さん、時間いいの?」 「む。そろそろまずいか。では行ってくる」 「行ってらっしゃーい」 「ああ。……燐火」 「ん、なに?」 「ちゃんと鍵をかけておくように」 「はいはい。わかってるわよ」 「うむ。では、行ってくる」 「気をつけてねー」 PR ![]() ![]() |
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