蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
肩で息をしながら、重くなった身体を引きずって歩く。
精々1km足らずとはいえ、全力を超えて走った反動で足の限界が近い。 「命あっての物種つっても、これはキツいぜ」 だが、座ってゆっくり休憩というわけにもいかない。 あんな猫(?)みたいな猛獣がいる森で無防備に座り込むほど、俺の神経は太くない。 ひとまず、どこか安全な所まで行かねば。 ……あるのか、安全な所? い、いやいや。まさかずっと危険な場所が続くってことはないだろ。 人の住んでいる所まで出れれば、何とかなるはず。 「しっかし、行けども行けども木ばっかりだな」 目に入るのは、木と葉、あと実。 木はやたらと背が高くて、ものによっては見上げても天辺が見えないのもある。 葉はかなり生い茂っていて、非常に青臭い。ところどころ、青い色が混ざってるのは見なかったことにしたい。 実は遥か上の方になっているのもあれば、俺の頭と同じくらいの高さになっているのもある。 喉が渇いてはいるが、さすがに食えるかわからん木の実を口に入れることはしない。 このまま迷って飢え死にしそうになったらわからんが。 それは最後の手段だ。 「とっとと森を抜けられるといいんだが。最後の手段に頼ることが無いように願う――っと」 突然目の前が開けた。 一瞬、森を抜けたのかと思ったが、すぐに違うとわかった。 目の前が開けたのは、そこだけ木が伐採されてるからで、 それはすぐそこに建っている家に使われているらしかった。 木造のそれなりに大きい家を見て、さてどうしたものかと少し迷う。 見た感じ無人ではなく、誰かが住んでいるであろう雰囲気ではある。 それはいい。むしろ、食べ物や水があると確信出来る分だけ素晴らしい。 問題は、だ。 中にいるのが人間ではなく、人外の何かだったらやだなぁ、ってことなんだが。 もし中に猫(?)がいやがったら、今度は逃げ切れる自信は無い。 「……ま、それでもスルーなんて選択肢はねえけどな」 呟きながら、扉へと近付く。 拳で数回ノック。 コンコンと軽い音が響く。 少しの間があり、中で何かが動く気配がある。 さて、鬼が出るか蛇が出るか。 PR |
カレンダー
フリーエリア
最新トラックバック
プロフィール
HN:
蒼夜
性別:
非公開
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
|