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蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
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「なぁ、ファリィ」

「なーに、おにーちゃん」

「この辺は危険は少ないんだよな?」

「うん、そーだよ」




そうだよな。センギもファリィもそう言ってたもんな。
でもな?

「それなら、後ろから追っかけてくるアレはなんなんだぁぁぁ!」

ワタクシ高畑直哉、ファリィと一緒に只今絶賛逃亡中です。








ファリィに連れられてやって来た西の森の奥。
そこは、想像してた以上に緑が深かった。
見渡す限りの深緑。すごい目に良さそうだ。
時折、青色が混ざっているのはスルーの方向で。
深く息を吸い、大きく吐き出す。ああ、

「ここは空気が濃いな」

ただいるだけで、力が湧いてくるような気がする。
元の世界の淀んだ空気とは雲泥の差だな。

「うん。ここはわたしのお気に入りのばしょなんだよ」

すごいでしょー、と自慢げに胸を張るファリィ。
確かに自慢するだけのことはある。
樹齢百年を超えてそうな大樹がそこら中に乱立しているのを見ると、どこの秘境かと思う。

いや、まぎれもなく秘境なんだが、ここは。

「それで、クンの実はどこで採れるんだ?」

俺は加工後しか見たことないからな。
どれがそうなのかさっぱりわからん。

「んーとね、こっちのほう」

そう言って歩き出すファリィの後をついていく。
足元は木の根や土でデコボコしていてかなり歩きにくいんだが、ファリィはすいすいと進んでいく。
その動きは慣れたものだった。
さすが野性児。

一方、俺はといえば、ついていくだけで精一杯だった。
育った環境が違うとはいえ、小学校にあがるかあがらないかくらいの子に体力で負けるのは、
中々情けないものがあるな。

そんな感じでひーこら歩いていると、ファリィが立ち止まった。

「はい、ここだよ」

「ようやく、着いた……あ?」

周りを見渡してみても、クンの実らしきものは見当たらない。

「ちがうよ、おにーちゃん。もっとうえだよ」

「上……?」

見上げると、木の枝と枝を渡すように蔦が伸びていた。
その蔦のところどころに鮮やかな青色の実がなっている。

「あれか?」

「そうだよー」

どうやらあれがクンの実らしい。
蔦になっているところをみると、ブドウに近い植物なのかもしれん。
しかし、

「どうやって採るんだ? かなり高いところにあるんだが」

この辺の樹は背が高いから、その枝に絡まってる蔦もかなり高いところにある。
具体的にいうと、電柱の天辺くらいの高さだ。

「のぼってとるの」

「登るのか」

まあ、それしかないか。
木登りなんて何年ぶりかね。

籠をおろして袖を捲っていると、ファリィも隣で籠をおろしていた。
向こうもこっちの様子に気付いたようで、首を傾げた。

「あれ? おにーちゃん、なんでおそでまくってるの?」

「そりゃ木を登るんならまくったほうがいいからだが」

「おにーちゃんがのぼるつもりだったの?」

「ああ、そのつもりだ」

さすがにファリィみたいな小さな子を登らせるのは心配だからな。
まあ、ファリィなら問題ないかもしれんが。
野性児だし。

そのファリィは、あごに指を当てて何やら考え込んでいる。

「んー」

「どうした?」

「えっとね、おにーちゃんはちゃんとのぼれるのかなぁっておもって」

あれ? 俺、なめられてる?
ファリィの中での俺の評価が気になる台詞だな。

「あのな、さすがに木登りくらいは出来るっての」

「そーなの?」

「そーなの」

「それじゃ、おにーちゃんにとってきてもらっていい?」

「おう、任せとけ」
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