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蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
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「ん……」

音が聞こえる。

トントンとリズミカルな包丁の音。
くつくつと鍋がたてる音。
新聞をめくる音。

そして、俺を起こす声が――

「朝だよ。起きて、おにーちゃん」

――そう、おにーちゃん…………おにーちゃん?

おかしな呼びかけに、閉じていた目を開いた。
目に入ったのは夢で見た朝の光景ではなく、見慣れぬ部屋の天井だった。
天井を見ながらぼーっとしていると、視界に赤い影が割り込んできた。

「うお!?」

「おはよう、おにーちゃん」

赤い影はファリィだった。
ファリィの姿を見て、自分が今何処にいるのかを思い出した。
…………ちっ、夢オチじゃなかったか。
少なからず夢であって欲しいという願望があったのか、軽くへこむ。
とはいえ、へこんでいても始まらない。戦わなきゃ、現実と。
さしあたってするべきことは、ファリィに挨拶を返すことだろうか。

「おはよう、ファリィ。悪かったな、わざわざ起こしてもらって」

「うん。おにーちゃん、お寝坊さんなんだね。ぜんぜん起きないんだもん」

う。

「いや、ホントに悪かった。サンキュな」

「サンキュ?」

首を傾げるファリィ。
そういや、こっちには無い言葉だったか。

「礼の言葉だ。ありがとうって意味だよ」

「そうなんだー」

納得したのか大きく頷くファリィ。
動作の一つ一つがいちいち大きいのが、子供らしくて微笑ましい。

「それじゃ、どういたしましてだね。朝ごはんできてるから、はやく起きてきてね」

そう言って部屋を出ていくファリィに手を振って答える。

さて、それでは起きるとしますか。
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