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蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
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「ゲームに出てくるスライムって雑魚だよなー」
「いきなりどうした。……まあ、たしかにそんな扱いだが」
「いやな、この間の“祭り”で出てきた“贄”がスライムでな」
「ああ、なるほど」
「ゲームのやつと違って、斬ろうが殴ろうがぶち抜こうが死にゃしねぇ」
「液状生物だからな。
 それで、どうしたんだ?」
「一ヵ所に集めて串刺しにして、符でまとめて燃した」
「定石だな。特に問題は無いみたいだが?」
「“祭り”はな」
「というと?」
「高ぇんだよ、符はよ」
「まあ、最低でも一つ五万はするからな」
「俺の場合、自腹だからな。一月分のバイト代が軽くとぶぞ」
「ふむ。そういえばそうだったな」
「ったく、こういうのは普通、家が出すもんじゃねぇのか?」
「要修業、ということだな。もっと強くなれば、打撃や斬撃で仕留めることもできるだろう」
「……めんどくせぇ」
「なら、延々と金欠が続くだけだな」
「……だよなあ。はぁ。……ま、とりあえず今日はバイトに行ってくるわ」
「ああ、頑張ってこい」
「おう。んじゃな」
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「なぁ」
「ん?」
「夕焼けの色って、血の色に似てるよな」
「まぁ、そうだな。……いきなりなんだ?」
「いや、な。うち、今日、“祭り”の日なんだ」
「あー、なるほど。それで鬱になってたわけだ」
「そ。なんであんなことやらなきゃいけないのかねぇ?」
「そうだな……。
 1、そういう家に生まれたから。
 2、阿呆なやつらが多いから。
 3、世の中が腐っているから。
 どれでも好きなのを選べ」
「ろくなのねぇじゃん」
「まあな」
「そん中から選べっつぅんなら……、全部だろな」
「だろうな」
「やれやれ。出来れば平々凡々な人生を歩みたかったもんだぜ」
「まず無理だな。俺たちがいくらそう望んでも、家の方が解放してはくれんだろう。長年続いてきたことだけに、余計な」
「ったく、世の中腐ってやがる」
「腐っているな」
「んじゃ、また明日。この腐れた世界で」
「ああ、また明日。この腐敗した世界で」
自分の腕すら見えない暗闇の中を、勘を頼りに進んでいく。

一歩一歩、確実に。

目に頼らずとも、肌に触れる空気の流れ、微かに反響する自らの足音だけでも、情報としては十分だ。

また一歩、細心の注意を払いながら踏み出す。

どんな小さな異変も見逃さないように、アンテナは全開に。

いつでも全力で動けるように、身体は弓の如く引き絞る。

その状態を保ったまま、また一歩――。

「ッ!」

張り巡らせた五感のアンテナに反応有り。

「そこっ!」

反応は右方。

対象を確認すると同時に、袖に仕込んだナイフを投げ付ける。

投げた勢いを殺さず、そのまま大きく後ろへ跳躍。

一瞬遅れて、元いた場所で火花が散る。

次いで、何かが地面に落ちる音が響く。

(一機撃破。新たな反応が五つ。左に二つ、前に一つ、後ろに二つ――)

右に大きく跳躍。

連続して瞬く火花を横目で見ながら着地する。

着地すると同時に、身体を回転させながらナイフを投げる。

その数は五つ。

投げられたナイフ達は狙いを違わず標的を貫き――

耳障り警告音と共に、部屋は光に満たされた。


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