蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
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自分の腕すら見えない暗闇の中を、勘を頼りに進んでいく。
一歩一歩、確実に。 目に頼らずとも、肌に触れる空気の流れ、微かに反響する自らの足音だけでも、情報としては十分だ。 また一歩、細心の注意を払いながら踏み出す。 どんな小さな異変も見逃さないように、アンテナは全開に。 いつでも全力で動けるように、身体は弓の如く引き絞る。 その状態を保ったまま、また一歩――。 「ッ!」 張り巡らせた五感のアンテナに反応有り。 「そこっ!」 反応は右方。 対象を確認すると同時に、袖に仕込んだナイフを投げ付ける。 投げた勢いを殺さず、そのまま大きく後ろへ跳躍。 一瞬遅れて、元いた場所で火花が散る。 次いで、何かが地面に落ちる音が響く。 (一機撃破。新たな反応が五つ。左に二つ、前に一つ、後ろに二つ――) 右に大きく跳躍。 連続して瞬く火花を横目で見ながら着地する。 着地すると同時に、身体を回転させながらナイフを投げる。 その数は五つ。 投げられたナイフ達は狙いを違わず標的を貫き―― 耳障り警告音と共に、部屋は光に満たされた。 PR |
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