蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 ――……けて―― ん? 「親父、何か言ったか?」 「うん? いや、何も言っていないよ」 「そっか」 空耳か? 首を傾げながら、洗い物に戻る。 汚れた食器がきれいになるのは、やっていてちょっと楽しい。 「直人、やっぱり私も手伝おうか」 「いいって。珍しく親父が作ったんだし、これくらい俺がやるって」 「でも」 「はいはい、そんなこと言ってる間にしゅーりょーっと」 最後の皿を洗い終え、親父の座っているテーブルに戻る。 ――……法の……を―― 「っ!」 やっぱり何か聞こえる。 音、じゃないな。 第六感的なものか、これ? うーん。どーすっかなー。 「どうかしたのかい、直人?」 「ん。ちょっと気になることがあるんだけど、もう遅いし、どうしようかと」 「それは明日じゃダメなのかな?」 「多分」 こんなのが明日まで聞こえてたら困る。 「そうかー」 ひとつ頷き、何やらごそごそとやりだす親父。 こっちに向き直った時、その手には棒を二本持っていた。 「はい、これ。外は暗いから気を付けるんだよ」 「いやいやいやいや。普通、親なら止めねえ? あと、この棒何だよ? 片方は懐中電灯ってわかるけど」 「ああ、それはスタンガンだよ。ここを押すと、ほら」 親父がスイッチらしきを押すと、棒が3倍ほどの長さに伸びた。 「で、押し続けると電気が流れるから」 その言葉通り、バチバチという音と空気が焦げる匂いがする。 捻れば元に戻るから、と最初の状態に戻したスタンガンと懐中電灯を渡してくる。 「親父……。間違ってないけど、間違ってる気がする」 まあ、受けとるけど。 「じゃあ、直人。止めたら行くのやめるかい?」 「いや、やめないと思う」 「だろう? だから止めないよ」 「……うーん、さすが親父」 なんたる放任ぶり。 まあ、都合がいいからいいんだが。 「んじゃ、ちょっと行ってくるわ」 「いってらっしゃい。怪しいモノには気を付けるんだよ」 「さて、と」 出てきたのはいいが、どこに行けばいいんだ? さっき聞こえたナニかは、今はもう聞こえないし。 とりあえず、耳をすましてみる。 「……」 意識を集中してみる。 「……」 うん、さっぱりだ。 どーするかな。 このまま帰るのはナンだしなぁ。 「うーん…………ッ!?」 唸っていると、突然目の奥で光が瞬いた。 ってか、痛い! カメラのフラッシュを至近距離で覗いたような痛みが!? 「うー。痛えー」 涙が出てきたよ。 いきなりなんなんだチクショウ。 目の奥にはいまだに光が残っている。 それを振り払うように瞬きを繰り返す。 「……ん?」 何度か瞬きをして気が付いた。 目の奥の光が消えない。 さっき感じたような強い光ではないけど、消えることなくしっかりと存在している。 「こっちの方、か……?」 まぶたの裏に映る光は二つ。 それぞれ、桃色と翠色をしている。 見ていると、少しずつ動いているのがわかる。 その二つの光を追うようにして、もうひとつ光が動いている。 だが、 「何だ、あの色?」 三つ目の光は、表現しにくい変な色をしていた。 こう、ぐにょぐにょというか、どろどろというか。 とりあえず、見ていて楽しい色ではなかった。 「なんか嫌な感じもするけど……」 ここにいてもしょうがないし。 「行ってみるか」 「な……、なんだこりゃ……」 光のあった場所に着くと、そこはえらいことになっていた。 まるで熊でも暴れたみたいに、道路や塀があちこち壊れている。 警察がテープで壊れている場所を封鎖していて、なんとも物々しい雰囲気だ。 「うーむ。何があったんだ?」 気にはなるが……、 「警察に見つかったらヤバイ、よな?」 こんな夜遅くに、小学生が一人歩き。 ……ヤベェ。 確実に、補導→保護者呼び出しのパターンだ。 野次馬もどんどん増えてきてるし。 ここはとりあえず撤退するべし。 PR ![]() ![]() |
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