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蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
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「………………………………」
「……大丈夫か?」
「……いやムリ。もう限界」
「死にかけているな。ムリも無いが」
「人間の欲望の数ってのは、108個じゃなくて108種類なんだよな~~」
「108個くらいですむならば、俺達も苦労しなくていいんだがな」
「な~~」
「一晩中だったからな」
「もうかけらも体力残ってねぇよ」
「ふ。まあ、お疲れ様ということでこれでも食え」
「あ~~? 何だそれ?」
「おせちだ」
「おぉ!? どうしたんだよ、これ?」
「母と従姉妹が送ってきたらしくてな。つい今し方届いた」
「……毒とか入ってねぇよな」
「安心しろ。お前と組んでいることは言っていない」
「そか。ならいいや。ありがたくいただこうぜ」
「ああ。それと、治療もきちんとしておけよ。深い傷もいくつかあるぞ」
「こんぐらい平気だって。それより早く食おうぜ」
「消毒くらいはしておけ。折角のおせちが汚れる」
「ちっ、わーったわーった。そこの治療符とってくれ」
「ああ。ほら」
「サンキュ。……っと、そうだそうだ」
「どうした?」
「あけましておめでとう。
 来年もよろしくな」
「ああ。おめでとう。
 来年もよろしく」
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「世界の理とはすなわち速さだと思いませんか?」
「今度もまたいきなりだな。どうした?」
「どうした、だと? どうしたもこうしたもあるか!
 この三日間、お前の従姉妹に追いかけ回されてたんだよ!」
「そうか、ご苦労だな」
「苦労しまくったわ!?
 装備の内3割が役に立たねぇんだぞ!?
 普通に三、四百年クラスの実力だぞ、あんなん」
「どうにも適性が高かったらしくてな。既にあいつを噛んだ“親”よりも強いらしい」
「…………バケモンか、お前の従姉妹は」
「名実共にな。しかし、よく逃げ切れたな。一度くらいは捕まるかと思ってたんだが」
「はっ、なめんな。っつーか、そう思ってたんならちっとは手ぇ貸せよ」
「いやなに、邪魔すると後が怖いからな。俺はお前程頑丈ではないんだ」
「よく言うぜ、ったく」
「許せ。今度夕飯でも奢るから、それでチャラにしてくれ」
「なら寿司奢ってくれ」
「回転寿司でいいならな」
「ちっ。まあ、それでもいいや。じゃあ、今度な」
「ああ。それはともかく、明日の準備は出来てるのか?」
「準備? 何のだ?」
「…………。明日は何月何日だ?」
「えーっと……おぉ! 12月31日、大晦日か」
「そうだ。大晦日は忙しいだろう、色々と」
「ああ、確かにな。色々と忙しいわな」
「で、準備は出来てるのか?
 聞くだけ無駄な気もするが」
「ぐ……。い、いいんだよ。
 俺はその気になれば道具無しでもなんとかなるからな」
「いや、無理だろう。一晩中、身一つでは、途中で力尽きる」
「う……。いやな、わかってはいるんだよ。けどな、その、先立つものがな」
「ああ、金が無いのか」
「そのとおり」
「ふむ。……試作品でよければ分けてやれるが」
「マジ!? 是非分けてくれ!」
「わかった。明日現場に持って行こう」
「サンキュー。本気で助かるわ」
「ああ。…………まあ、“博士”からの試供品なんだがな
「おい!? 今ぼそっと何言った!?」
「では、また明日」
「うおぉぉぉぉい!?」

「ぅ俺は人間をやめるぞーー!!」
「……今度は何だ。遂に頭が膿んだか?」
「…………。お前、今日は毒舌ひどくね?」
「昨日、少しあってな。
 それで、今回は何なんだ?」
「あぁ。実は昨日、吸血鬼に襲われてな」
「……吸血鬼?」
「おう。バイト帰りにいきなりな」
「それで、吸われたのか?」
「んなわけねーだろ。不意打ち一発入れて、全力で逃げた」
「逃げ切ったのか、吸血鬼相手に」
「まあな。場所がよかった。あの辺は俺の庭みたいなもんだからな」
「他の場所だったらまずかったか?」
「ああ。装備も無しに吸血鬼から逃げ切る自信はねぇな」
「そうか。……いや待て。装備無しと言うが、“火紅遣”はどうした?」
「ん、ああ。メンテに出してる。この間ちと無茶しちまったからな。しばらくかかるらしい」
「そうか。となると、“火紅遣”が戻ってくるまで常にフル装備でいるべきだな」
「なんでだ?」
「お前を襲った吸血鬼、な」
「あぁ」
「あれな、俺の従姉妹」
「……………………あんですと?」
「昨日から家に来ててな。乱暴な男に殴られたと憤慨していたぞ」
「げ」
「かなり根に持っているようだからな。しばらくは警戒を続けた方がいいぞ」
「マジで?」
「ああ」
「お前から何とか言っといてくれねぇ?」
「…………すまん」
「何故顔を背ける!?」
「あいつを止めるのは、俺には不可能だ。諦めろ」
「……何とかならねぇ?」
「……何ともならんな」
「……わかった。なるべくフル装備でいることにするわ」
「ああ。だいたい一月くらいの辛抱だ。頑張れ」
「……ぉぅ。それじゃな」
「ああ、またな。…………生きていならな」
「別れ際に不吉なこと言うなよ!?」
「ゲームに出てくるスライムって雑魚だよなー」
「いきなりどうした。……まあ、たしかにそんな扱いだが」
「いやな、この間の“祭り”で出てきた“贄”がスライムでな」
「ああ、なるほど」
「ゲームのやつと違って、斬ろうが殴ろうがぶち抜こうが死にゃしねぇ」
「液状生物だからな。
 それで、どうしたんだ?」
「一ヵ所に集めて串刺しにして、符でまとめて燃した」
「定石だな。特に問題は無いみたいだが?」
「“祭り”はな」
「というと?」
「高ぇんだよ、符はよ」
「まあ、最低でも一つ五万はするからな」
「俺の場合、自腹だからな。一月分のバイト代が軽くとぶぞ」
「ふむ。そういえばそうだったな」
「ったく、こういうのは普通、家が出すもんじゃねぇのか?」
「要修業、ということだな。もっと強くなれば、打撃や斬撃で仕留めることもできるだろう」
「……めんどくせぇ」
「なら、延々と金欠が続くだけだな」
「……だよなあ。はぁ。……ま、とりあえず今日はバイトに行ってくるわ」
「ああ、頑張ってこい」
「おう。んじゃな」
 はじまりはひとつ。

 次いでふたつ。

 更によっつ。

 分かれて八つ。

 栄えて十二。

 削られて六。

 消えてさん。

 数えるといち。

 最後に零。


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