銀の鍵

　
　黒の門。
　
　赤の扉。

　銀の鍵。

　まず手に入れるべきは、銀の鍵。

青の門

　
　私は長き螺旋を降る。

　深き闇へと続くその道を、くるりくるりと果てもなく。

　数え切れぬ時の果て、私は螺旋の底にたどり着く。

　たどり着いたその場所にはただ一つ。

　青い大きな門がそびえたつ。

　堂々たるその門は、押しても引いても開きはせぬ。

　ただ空の鍵穴のみが、私に何かを問いかける。

　汝、鍵を持つか。持たぬのか。

　青き鍵を持たぬのならば、この身は決して開きはせぬ。

　故に私は諦める。青き門の先に行くことを。

　いつか青き鍵を持つその日まで。

　そして私は再び螺旋を上る。

　青き鍵を持つために。

頭の中の混沌をつらつらと

　
　如何に世界が広くとも、我等に行けぬ場所は無い。

　飛天の脚を持つならば、長き道に意味は無く。

　無限の時を持つならば、流れる時に意味は無く。

　我等は無刻を彷徨う永劫の民。

　我等が前に過去は無く。我等が後に未来は無く。

　我等が立つは今にあらず。

　その身に刻みし業故に、我等は世界に見放され。

　その身が刻みし業故に、我等は世界を見放さん。

　我等は彼方より来たり、彼方へ消えるもの。

　我等は此方より生まれ、此方を旅するもの。

　我等の前に、時も場所も意味は持たず。

　あぁ、願わくば。

　貴方が我等に出会わぬことを、心より祈ろう。

　会ってはならぬ、逢ってはならぬ、遭ってはならぬ。

　あわぬことこそ、互いにとって最善ぞ。

　だが、もしそれでもあってしまったならば。

　その時は――