蒼夜の混沌とした頭の中を徒然に書き綴るぺぇじ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 「うぬぅ……」 机に突っ伏すと、押し出されるように呻き声がもれた。 「なに変な声出してんのよ」 「いや、ちょっと寝不足で……」 声をかけてきたバニングスに、突っ伏したまま答える。 きのうは夜の探索で時間を使って、睡眠時間が短かったのだ。 しかも、成果はなし。 まぶたの裏に写っていた光も、気付いたら見えなくなってたし。 人に会わないように歩くのは大変だったし。 こういうのを、骨折り損のくたびれ儲けっていうんだろうな。 「はぁぁ……」 そう考えると、もうため息しか出てこない。 そのため息を聞いて、バニングスが眉をひそめる。 「辛気臭いわねえ。もっとシャキッとしなさいよ」 そんなバニングスをまあまあ、と宥める月村。 「でも、本当に大丈夫? なんだかすごく調子悪そうだよ」 心配する月村と、同調するようにこっちを見る高町。 うぅ、優しさが身に沁みるな。 「大丈夫。今日は体育もないし。なんとかなるだろ」 無理しちゃだめだよ、と念を押される。 けど、自業自得だからなあ。 どんなに眠くても、授業には出ないと。 「そんなに寝不足になるまで、何やってたのよ」 「んー、………夜更かし」 「何で夜更かししてたのかって聞いてるんだけど?」 頭の中に変な声が聞こえて、その原因を探してました。 ……言えるか、こんなこと。 可哀想な目で見られるのは勘弁なので、バニングスの疑問には曖昧に口を濁す。 「いや、まあ、色々あるんだよ。それより高町。イタチ……じゃなかった、フェレットは大丈夫なのか?」 「う、うん。大丈夫。元気だよ」 「すごい偶然よね。胸騒ぎがして様子を見に行ったら、逃げ出してきたあの子に会うなんて」 昨日、フェレットを預けた動物病院だが、どうも事故があったらしいのだ。 その話を聞いた時は、めちゃくちゃ驚いた。 昨日行った場所で事故とか、なあ。 ……そういえば、昨日の光が見えたのも、動物病院の方だった気が。 うーん。まあ、いいか。 すっきりしないけど、どうしようもないし。 また声が聞こえるなり、光が見えるなりするまでほっとこっと。 「――っ!?」 目の奥に軽い痛みと、フラッシュをたいたみたいな眩しさを感じた。 学校の帰り道。 高町達と別れて、夕飯の食材を買っている最中のことだった。 「ほっとこうと思ったばかりなのになぁ」 しかもタイミングが悪い。 もうすぐタイムセールなので、すぐに探しに行くというわけにはいかんのだ。 「今回は見送りかね」 俺の中では、タイムセール>不思議現象である。 せめて夕飯を食べ終わった後だったらなあ。 「お待たせいたしました! 只今よりタイムセールを開始いたします!」 「なぬ!?」 店員の声と共に商品に群がるオバサン達。 いかん! 出遅れた! いたたたた! 潰れる潰れる! 前に進めないー! 10分後。ぼろぼろになった俺がいた。 毎度のことだが、密集した人体は凶器になると思う。 しかも、今日の戦利品はひとつだけ。 いつもなら、みっつは手に入れられるんだけどな。 出遅れたのが痛かった。 「ちっくしょー。あのタイミングであの光が見えなければ、もうちょっとなー」 思わず愚痴が漏れる。 言っても仕方ないことなのは分かってるんだけどな。 しかも、光は買い物が終わった時点で消えていたし。 あれか? あの光は、俺の邪魔するためだけに出てきたのか? 八つ当たり気味な怒りを抱えながら、家に帰る。 その途中、視界の端にきらりと光るものがあった。 すわまた不思議現象かと身構えたが、どうやら違うらしい。 恐る恐る近づくと、なにやら宝石っぽい石が落ちている。 「なんだこれ?」 手の中で光を反射して輝く青い石は、なんだか曰くありげなものだった。 これは宝石なんだろうか? キレイで珍しいただの石なら別にいいけど、値打ちものだったらマズイよなぁ。 交番に届けるかどうか、考えること十秒。 「今日は遅いし、明日にしよう」 問題の先送り。 明日、覚えていて、かつ時間があったら届けよう。 ……できれば、紐でも通してお守りにでもしたい、とか思わないでもないが。 そんなことを考えながら、宝石をポケットに突っ込む。 さて、とっとと帰って飯作ろっと。 PR ![]() ![]() |
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